ブログ

2008.05.12

医療理念とは?

本日もハードなインプラント・オペがありました。 糖尿病の患者様でしたので 経過を観察しながらA1cが安定して7%以下になるのを確認する必要もあり、オペまでに可也の期間を要しました。 歯周内科治療A1c低下に貢献したと思われます。

ブドウ糖のくっついたヘモグロビンの割合をパーセントで表わします。ヘモグロビンに一度結合したブドウ糖は解離することはありません。 ヘモグロビンが詰っている赤血球の寿命が120日なので、過去2~3ヶ月の平均的な血糖値の状態がヘモグロビンA1cとして分かります。

骨も殆ど無かったので またしても ソケットリフト、骨補填剤、メンブレン のフルコースでありました。歯周内科治療、将来のインプラント矯正治療まで含めて 現在 松田歯科クリニックで出来得る最善、最大限の治療内容となります。

患者様は元気にされているだろうか? 低血糖症状は起きていないだろうか?  軽い気だるさの中、ぼんやりと考えながらの帰宅となりました。

帰宅後 風呂上がりにつけたテレビ(カリビアン宮殿)にて 「救急医療の崩壊」ということで 聖隷浜松病院の方が出演されていました。

崩壊しつつあるのは救急医療だけではありません。 私自身も知り合いの何人かのドクターが、医療の現場から去っているのを把握しています。その原因の詳細についても把握しています。

色々と批判するのは簡単なことなのですが、私は評論家ではありませんので止めておきましょう。

ただ 様々な問題が臨界点を超えつつあるのは事実でしょう。後期高齢者医療制度(長寿医療制度)ひとつとっても実に複雑な問題が絡み合っています。 非常に深刻な事態に陥りつつあります。

番組の終盤で 聖隷浜松病院の方がおっしゃっていました。「感謝して涙を流して頂ける仕事は医療以外にそんなに無いでしょう」と。 そうですね、医療人としての誇り、喜びは正に患者様の感謝であり、笑顔でありましょう。

「理念を曲げるくらいなら医療の現場から去るべき」ともおっしゃっていましたが、聖隷浜松病院の理念は、「私たちは、利用してくださる方ひとりひとりのために最善を尽くすことに誇りをもつ」となっているようです。

松田歯科クリニックの医療理念も全く同様であります。

多くのドクターが疲労困憊し、何かに怯えています。 多くの患者様が不安から未来を描けずにいます。 世の中に溢れる無用な扇動も影響しているのでしょうが、お互いに疑心暗鬼になるのではなく、まずは 信頼関係の再構築から始めようではありませんか。