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2021.10.23

認知症と歯周病の関係

先日興味深い動画を拝見しました。 認知症専門医が「認知症と歯周病には相関関係がある」と述べておりました。

以前より認知症と歯周病の関係については幾つかの報告がされております。

2019年 九州大学大学院歯学研究院の武 洲准教授と倪 軍軍(ニイ ジュンジュン)助教の研究グループは、中国吉林大学(九州大学との協定校)口腔医学院の周延民(シュウ エンミン)教授、同大学の聂 然(二ー ラン)大学院生(交換留学生)らの研究グループとの共同研究において、ヒトの歯周病の歯茎および歯周病原因菌であるジンジバリス菌(Pg菌)を全身に慢性投与したマウスの肝臓に、脳内老人斑成分であるアミロイドβ(Aβ)が産生されていることを初めて発見しています。

アルツハイマー型認知症の特異的な脳内病態であるアミロイドβ老人斑は、脳内で産生・蓄積すると考えられてきましたので これは大きな発見でした。

歯周病菌が血液脳関門を通過して脳内にダメージを与えるかどうかについては諸説あるようですが、慢性炎症である歯周病性炎症物質が血液脳関門を長期に渡って攻撃し、関門を突破する可能性は十分にありそうです。

 

今回の動画においては、認知症専門医である長谷川氏が 「認知症発症後、若しくは脳の衰えを感じている高齢者であっても口腔ケアを徹底することで認知症の進行に歯止めをかけ、改善もしてくれる」と述べておりました。 命に関わる全ての疾患に歯周病が関与しているとも述べておりました。 例えば大腸がん、食道がんに歯周病は関与していますよ。心筋梗塞や脳梗塞も歯周病が関与しております。 これは私が随分と前にこのブログで述べていたことですね。

糖尿病と歯周病の関連性、糖尿病と認知症の関連性 とてもあるわけですね。そして歯でしっかりと噛むこと、歯根膜(歯の根っこの周りにある膜)に刺激を与えて脳内血流を促進すること これも認知症対策として大事ですね。

長谷川氏は認知症対策として 定期的に歯科医院でクリーニングを行ってもらうことがとても大事だと述べておりました。自分は若いから大丈夫ということではないのです。20代でも75%は歯周病と言われているのですから。 認知症予備軍にならないために歯周病ケアはとても大事なのです。

認知症とMCI(軽度認知障害)を合わせて 1500万人と言われている日本であります。再度口腔ケアの大切さについてお考えください。

 

当院で行う歯のクリーニング(保険診療)では 「ペリオリフレッシュ」というクリーニング剤を頻繁に使用します。

「ペリオリフレッシュ」は、生体親和性の良い主成分『クエン酸』を独自の製法にて配合したことにより、歯面とバイオフィルム、歯石等の汚染物質を浮き上がらせ、ダメージの少ない歯面清掃・研磨を容易にします。 当院でクリーニングを定期的に行われている患者様におかれましては 酸っぱい感覚を感じられると思いますが、一歩進んだクリーニングを保険治療で行っております。