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2008.05.18

歯科再生医療の現実としてのインプラント治療

インプラント成功の鍵は 埋入部の骨量、骨の緻密度に大きく左右されます。 十分な骨量、緻密な骨構造は、ほぼ100%に近い確立でインプラント治療を成功に導きます。

しかしながら患者様のインプラント希望部位は、長年に亘る ブリッジに因る過剰負担、咬合性外傷に因る骨吸収、 義歯による機械的な刺激、圧迫による破骨細胞促進作用に因る骨吸収が既に大きな範囲で起こっているのが現実であります。

骨量が足りない時、その部位には 骨移植 若しくは 骨補填剤を検討しなければなりません。

腸骨などの移植は患者様に大きな負担を強いることになりますし、それほどの骨量は期待できません。 従いまして 自家骨移植が最善とはいえ 骨補填剤による骨量補填が最も現実的な選択となります。

松田歯科クリニックにおいては これまで自家骨に加えて β-TCP(β-リン酸三カルシウム)、 DFDBA(脱灰凍結乾燥骨)(demineralized freeze-dried bone allograft)などの使用(トリプルミックス)を患者様のご理解の下 行って参りました。

米国では組織銀行(ティッシュバンク)があり、ヒトの骨は使用されています。

安全性については米国組織銀行協会(American Association of Tissue Bank)の指標する基準に達していれば感染の問題はないとされています。

米国の他家骨移植は年間約500.000症例行われており、そのうち歯科に関連する症例は年間約200.000症例あります。

現時点で感染例は報告されていません。

組織再生にはCells〔細胞〕、Signal Molecules〔シグナル分子〕、Scaffold〔足場〕の3要素が必要であります。

β-TCPは、有効なScaffoldでありますが、シグナル分子とはなり得ません。

現時点においては、骨誘導能を期待するシグナル分子として PRP(患者の血液から血小板を濃縮しゲル化させたものをPRPと呼びます。血小板中はPDGF、TGF-β、VEGF(血管内皮細胞増殖因子)等を含み、PDGFは細胞増殖作用、TGF-βは基質増加作用、VEGFは血管新生作用があります)が 最も利用されております。

それでは、近い将来の骨補填とは どのような形となるのでしょうか。

現在 β-TCPよりも更に吸収性、置換性に優れたα-TCP の開発が進んでいます。

またコレステロール低下作用を主たる目的として開発された HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系薬) には、骨芽細胞活性を強く亢進させる骨形成蛋白質(BMP-2)の産生促進作用があることが報告されています。

スタチンは、BMP-2のように高価でなく、更に安全性も既に確立されていることから 骨増生におけるシグナル分子 として非常に有望と思われます。

また遺伝子治療 として プラスミドDNAを利用してBMP-2(骨形成作用のあるサイトカイン)の増殖を誘起し、骨増生を促す方法も有望とされています。

マスコミを通して すぐにでも実現可能との誤解を多くの患者様に与えた 歯の再生医療についてですが、現実は それほど簡単では無いようです。

コストまで含めると インプラントを凌駕するのは 早くて20年先、いや多分 個人的には無理かと思っています。

インプラントこそが 現在の最先端の顎顔面の再生医療なのであり、α-TCP、シンバスタチン、プラスミドDNA などが、近い将来 現在よりも更にクオリティの高いインプラント治療、顎顔面再生医療に貢献することになると考えられます。

骨の少ない方、他院で断られた方、 松田歯科クリニックでは、難症例においてもこれまで大きな成果を挙げていますが、更に最先端、最善を目指して頑張っていく所存であります。

今後とも宜しくお願い致します。

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