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2007.09.12

金属アレルギーにノンメタル治療 

最近 金属アレルギーに悩んでいる方が多いようです。特にお年寄りの方に多いようです。本日も金属アレルギー検査データを持って来られた患者様がいらっしゃいました。

「先生にご相談なのですが・・・」とおっしゃりながら見せられた手のひらはひどく肌荒れしていました。

(ここからは多少難しくなりますが、勉強して下さいね)

口の中の金属はイオン化して溶け出しやすく、唾液、口腔細菌、血液などのタンパクと結合して抗原性(アレルギー性)を持つようになります。その結果、皮膚炎や肌のシミ・しわなどを生じるようになります。

また、口の中の金属は帯電しやすく、ガルバニ電流と呼ばれる微弱電流を生じて、脳活動を混乱させたり、頭痛や関節痛を憎悪させたりします。口の中の金属によるアレルギーの危険性はピアスやネックレスによる感作によって発症しやすくなりますが、発症しない場合でも長い期間にわたる金属の体内蓄積によって身体的リスクが増大します。

金属アレルギーは、我々歯科医師にとっては非常に頭の痛い問題であります。金属アレルギーのメカニズムは最近になって漸く解明されつつあることとはいえ、 安易に金属を使用してきたことへの自己否定もあります。 ノンメタル治療(金属を外し、セラミックなどに代える)や 出来る限り アレルギーの少ない金合金へ代える治療をするにしても、保険外の診療となる為患者様に経済的な負担を強いてしまうという悩みもあります。

定期的な虫歯と歯槽膿漏の予防によって なるべく自分の歯のままで噛めるよう啓蒙することの大切さを再認識しているところです。  そして不幸にして金属アレルギーになってしまった患者様には、経済的な面も含めて 最善の治療を真摯に検討していきたいと思っています。