ブログ

2012.03.11

日本は何処へ行くのか?

あの日から1年が経ちました。 本日 私は 所用にて福島県 いわき市に行っておりました。   知り合いの先生の支援以来 10か月ぶりに来た いわき市は ガタガタの道路と沿岸部 を除くと 表面上は随分と復興が進んだようでありました。 

帰り際 小名浜の海に行ったのですが、献花をされる方々に胸が痛みました。

日本は何処へ行くのか?1

日本は何処へ行くのか?2

日本は何処へ行くのか?3

まだ傷跡の残る いわき市 小名浜の海   

先日「デーモン・システム」という 新しい矯正治療法の勉強会に3日間 連続で行ってきたのですが、 その時に 岩手 陸前高田の先生と昼食を御一緒させて頂く機会がありました。

その先生の語る 筆舌に尽くし難い 悲惨な体験談には ただただ黙って頷くしかありませんでした。1年経ってやっと こうやって東京まで勉強をする為に来る気力がでてきた ということでした。

先生曰く「まだ何も始まっていない、 何も終わっていない・・・」

今後10年間で30兆円を超えるともいわれる 復興特需によって 建設業界が落とすお金を中心に バブル期以来20ぶりの好景気といわれる仙台の活況ぶりと まだ殆ど何も手がつけられていない所もある といわれる被災地の惨状、そして 静かに東北を撤退しつつある大企業工場群との壮絶なるギャップに 果して東北に明るい未来は見いだせるのか 複雑な気持ちであります。

半導体大手エルピーダメモリが 先月の27日、破綻しました。 280億円もの血税を投入した 国策 日の丸半導体メーカーであったはずなのですが、サムスン、ハイニックス といった韓国勢に全く太刀打ちできない状況であったようです。

エルピーダ という社名は ギリシャ語で「希望」を意味する Elpis から来ているそうですが、なんとも皮肉な結果となってしまいました。 

エルピーダ のみならず 嘗て 世界経済のメインプレーヤーであったはずの 日本のハイテク企業の直近の決算内容は 惨憺たるものでした。   

対して 韓国 サムスン電子の2011年度 営業利益は16兆2000億ウォン、日本円換算で約1兆1000億円  最早 日本の電機大手が束になって掛かっても敵わないレベルの差ができてしまった とも言われています。

トヨタ自動車が 販売台数世界一だったのは ついこの前のことですが、 一部の人間からは 現在の 世界の自動車 ビッグ3は GM、フォルクスワーゲン、ヒュンダイ だと陰口を叩かれる始末です。

韓国 ヒュンダイ自動車の営業利益率は 14% と プレミアムスポーツメーカー ポルシェと同等の驚異的なものです。

翻って トヨタは 1.1% 、ホンダが2.5% 現在好調な日産・ルノー勢でも5.4%に留まっています。

サムスン、ヒュンダイの躍進は 国家ぐるみでの サポートがあればこそです。 企業も そこで働く社員も目標に向かって一丸となって 働けるわけです。

翻って 多くの日本のハイテク企業は 日本に留まるべきか否か のギリギリの選択を迫られているはずです。「恒産なくして恒心なし」 冷静な判断で 地に足をつけて仕事ができる状態にないと思われます。  

円高、震災の影響、タイ洪水の影響等 諸々 勿論あると思いますが、もしかしたら 現在 日本の企業に最も欠如していたのは「Elpis」 そう 希望なのかもしれません。

2月14日 日銀は初めて 1%のインフレターゲットを導入しました。あわせて資金供給枠 を10兆円増やし、量的緩和も行いました。   ノーベル経済学賞受賞経歴のある P.クルーグマンは 4%のインフレターゲットと50兆円の金融緩和を提案しているようですが・・・・。

バーナンキとガイトナーによる 形振り構わぬ QE1 、QE2 、 ECB ドラキによる 1兆ユーロ以上の長期資金供給オペ(LTRO) と比較するに まだまだという感はありますが、 日銀のインフレターゲット導入以来 確かに景気先行指標である株価は 反転上昇し始めました。そして円安に反転し始めました。

このタイミングを利用して 円高(外貨安)の今のうちに、有望な外貨資産を大量に取得し、経常収支の黒字化永続も努力して頂きたいものです。

今は 量的緩和、インフレターゲットによる 民間の復活を待つ時間であり、決して 増税を行う時期ではないはずです。 くれぐれもアクセルとブレーキを同時に踏むような愚作は避けて頂きたいものです。

私は本日 いわき市を訪れて その復興ぶりに やはり日本人の力は凄いものだ と確信しました。 歴史的にも日本は 絶体絶命のピンチから何度も 大きく変貌を遂げてきました。 

私は 日本の復活を信じたいと思います。